歯科ブログ

口呼吸は、どうしてダメなの? その10

以前のブログで、口呼吸は顔貌、鼻腔、歯列の不正をおこすと記しました。
今回はそのことについて触れてみたいと思います。

口呼吸をしていると、口を開いている状態がながく続くため、硬口蓋という上あごの天井部分に、舌がくっついているという状態にはなりません。
多くの場合は、舌は上あごとは離れた位置、たいていは下あごの歯列の中にいます(これを低位舌と言います)。
歯医者の教科書的には、舌は上あごと接する位置にあるのが良いとされ、それより下の位置で上下の歯の間にはみ出すような位置とか、下あごの中に納まるような低い位置はよくなとされています。
舌が下にあると、上あごは、外側から頬の圧力を受けて、横幅の狭い歯列になり、上に深いアーチをつくります。
そして、横幅が狭くなった分、前歯は隙間が少なくなるので、前にはみ出し、出っ歯になります。
出っ歯になるから、なおさら口が閉じにくく、口呼吸が治りません。

さらに、上あごの歯列の幅が狭いと、鼻の空間もそれに関係して、狭くなります。
人間は他の動物に比べて、鼻中隔湾曲症が多いそうです。

鼻腔が狭くなると、当然、鼻づまりが多くなり、必然的に口呼吸になりやすいということになり、もとに戻ります。
つまり、口呼吸してるから、鼻づまりしやすくなり、鼻づまりすると口呼吸しやすくなります。

ここで、問題なのは呼吸の空気の通り道が変わるだけの話ではなく、歯並び、かみ合わせが悪くなり、顎が狭くなり、鼻中隔湾曲も増えるという、骨格に影響を及ぼしてくるということです。
機能の問題が形態にまで影響してくるということです。

ここまで来てしまったら、歯列矯正が近道になります。
歯列をよくするため、かみ合わせをよくするためだけでなく、口呼吸を減らして鼻呼吸をするためにも、上あごの形を整える必要があります。

東村山市の歯科・歯医者は かわせ歯科