歯科ブログ

口呼吸は、どうしてダメなの? その9

前回は、口呼吸を習慣的にしてると、全身的は運動機能が落ちるという話しをしました。
今回は、口呼吸から全身に病気がおきるという、こわーい話しをしたいと思います。

お口の奥の方にある、扁桃腺って、ご存じでしょうか。
風邪ひいたときにのどが腫れることで、わかります。
扁桃腺というのは、異物に対しての防御機能を持っています。
しかし、いつも、外気に触れたり、食べ物、飲み物にさらされて、刺激を受けています。
というわけで、慢性化した炎症も起きやすい場所です。
口呼吸は、慢性の扁桃腺炎の原因となります。

防御機能を持つ扁桃腺に慢性炎症があると、免疫物質であるIgAが産生されます。
これは体の中にいる常在菌に対する、免疫寛容が壊れた結果です。
免疫寛容って、難しいですね。
どういうことかと言えば、免疫反応というのは、通常は外部から侵入してきた異物、あるいは体内に生じた異物を抗原として認識し、その抗原に対して応答することで起こす反応のことですが、こうした反応の起こらない無反応の状態のことを免疫寛容と言うそうです。

口呼吸から慢性扁桃腺炎になると、通常は起きないはずの、常在菌に対する免疫反応が起きて、骨髄でIgAが異常に産生されて、IgA腎症という病気が引き起こされるそうです。

また扁桃常在菌にたいする免疫寛容の破綻が、掌蹠膿疱症、胸肋鎖骨過形成症を引き起こすこともあるそうです。

扁桃腺から、他の部位の病気を引き起こすことを、病巣感染と言います。
これらは、腎臓、皮膚、甲状腺、骨、筋肉に自己免疫の異常を引き起こします。

口呼吸は、慢性扁桃腺炎の原因の一つであります。

また口呼吸からおこりやすくなる歯周病も、病巣感染のひとつです。

口の中の慢性炎症は昔からありましたが、それが全身の病気に関係しているとは、なかなか知られていないのではないでしょうか。
何の気なしでやってる口呼吸が、知らない間に全身のほかの部位に病気をおこしているなんて、怖いですよね。

口呼吸じゃなく、鼻呼吸にしたいですね。

東村山市の歯科・歯医者は かわせ歯科