歯科ブログ

矯正をする前に~舌癖とMFT~

皆さんはご自分の歯がどうしてその位置に並んでいるか考えたことはありますか?
ほとんどの方は遺伝や、理由などなくたまたまその位置にあると思っているのではないでしょうか。
では、体操や訓練などでその歯並びを改善できる可能性があるとしたら、どうでしょうか。
それについて説明するためにまず、『舌癖』と『MFT』についてお話ししたいと思います。
あまり知られていませんが、MFTと舌癖は実は歯並びや歯科矯正ととても関わりが深いものなのです。

まず、『舌癖』とはなんでしょうか。
あまり聞きなれない言葉だと思いますが、これは舌の力やコントロール力がないゆえに起こる良くない癖のことをいいます。
このような癖があると、舌の力が歯に影響して、歯並びを悪くしてしまうことがあるのです。
具体的には、飲みこむ動作をする時に舌を上下の歯の間にはさんでいたり、舌で上下のどこかの歯を押しつけたりするクセのことを言ったりします。

人間は一日の中で600回~2000回、飲み込む動作をしています。舌はほとんどが筋肉で強い力があります。それだけの力で一日に600回~2000回も歯を押し続けたら…歯並びがどうなるか、お分かりになりますね。
例えば前歯がえらく前に出てしまう『上顎前突』、いわゆる出っ歯や、『受け口』と言われる『下顎前突』、奥歯をカチンと噛み合わせたときに上下の前歯が噛み合わず隙間ができてしまう『オープンバイト』なども『舌癖』による弊害のひとつです。
あなたや周りの方にも舌癖があるかは、簡単に確認することができます。
まず鏡の前に立ち、カチンと奥歯を噛んでイーっとしてみてください。その状態でゴクンと唾を飲み込んだとき、歯と歯の間から舌が見えましたか?もしくは前歯に舌が触れる感触があったでしょうか?そうでしたら、舌癖があると言えるでしょう。
舌癖には様々な原因がありますが、舌そのものやお口周りの様々な筋肉の力不足やバランスの悪さが要因と言えます。
では一度悪くなってしまったバランスは改善することはできないのでしょうか。いいえ、それを改善する手段が『MFT』なのです。

次に『MFT』ですが、「Oral Myofunctional Therapy」の略称で、口腔筋機能療法ともいいます。
正しい舌の動きや正しい口のまわりの筋肉の動きを覚えていき習慣化し、正しく機能させる訓練のことです。
MFTで継続的に筋肉へアプローチすることで、正しい歯並びを維持しやすくなります。 歯は、唇や頬の筋肉や舌による圧力を受けているからです。
つまり、先述の『舌癖』をなおすための訓練方法になります。
『舌癖』がなおれば、矯正装置をつけなくとも筋機能療法のみで悪い歯並び(不正咬合)がある程度改善することもあります。また矯正治療を成功させるために筋機能療法の併用が必要な場合も多くあります。

かわせ歯科医院ではお口の中の状況に応じてMFTを用い、舌やお口まわりの筋肉を正しく機能させ歯並びを維持しやすくするお手伝いをしています。興味を持たれましたら、お気軽にご相談ください。

東村山市の歯科・歯医者は かわせ歯科