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食いしばりと歯牙接触癖

食いしばりと歯牙接触癖

日中の起きている間の食いしばりや噛合接触は「日中クレンチング」や「歯牙接触癖(Tooth Contacting Habit :TCH)」と呼ばれます。
日中の歯ぎしりのほとんどは、顎を動かすクレンチングがTCHです。
特にTCHは50%以上の顎関節症患者に認められております。
TCHは起きている時の口の癖であるため、歯ぎしりのように強い咬合力が無制限にかかることはありませんが、上下の歯が軽く接触している程度でも、顎関節や口の周りの筋肉には、少なからず影響がでます。

通常上下の歯は、何もしていない状態では、2~3mm離れています。
これを安静空隙といいます。
食事や会話の時間を含めても、機能している時に、上下の歯が接触しているのは、1日のうちトータル20分くらいが正常といわれています。
ところが、TCHによって上下の歯の接触時間が長くなると、口の周りの筋肉の疲労・歯周病の悪化・噛み合わせの違和感・つめもののの破損・顎関節症などの、様々なトラブルがでる可能性があります。
TCHと歯ぎしりの決定的な違いは、TCHは本人がその癖を自覚できれば、意識的にやめるための努力ができるという点です。

TCH改善のための3ステップ

  1. 上下の歯が接触していると、下顎を動かす筋肉が働くことを感じてもらう。
  2. 「歯は離してリラックス」などを書いたメモを目のつくところに貼っておき、メモを見たら、顎の力を抜き、上下の歯が離れるようにする。
  3. 「気づき→歯が離れる」を繰り返すうちに、歯が数秒間接触すると無意識に離れるようになる。

これは、臨床心理学の分野で発達してきた行動療法の中の習癖逆転法をアレンジしたものです。

東村山市の歯科・歯医者は かわせ歯科