歯科ブログ

噛むことと、脳への刺激

噛むおやつと言ったら、何が思い浮かびますか?
ひと昔前ではガムかと思いますが。現在はグミでしょうか。

今回は、噛むことでの脳への刺激について書きたいと思います。

ガムを噛むことで健康効果を得られる!?

噛むことの健康効果の一つに脳への刺激があります。
ある脳の活動状態を調べた研究によると、ガムを噛むと運動野の中の咀嚼中枢がある場所や、その他の場所でも血流量が増加したそうです。
血流量の増加は脳の活性が高くなることにつながり、認知症の予防にも効果があると言われています。

噛むとどのように脳へ刺激が伝わる?

少し難しいのですが、脳に関する研究では、上位の中枢(脳)が下位の中枢(咀嚼に関しては歯根膜刺激)を支配するのと同時に下位の中枢も上位の中枢を支配すると考えられています。

それに当てはめると、歯がなくなって、下位の中枢にあたる歯根膜(触覚や圧覚のセンサーの役割がある)刺激がなくなると、大脳の神経膜自体も変化してしまう可能性があります。
食事をしている時に歯根膜が感じた刺激は脳に伝えられて、食べている物の状態に応じた噛み方になります。
食べ物は歯や唾液の働きでひと噛みするごとに状態が変わるので一口でも何かを食べるだけでさまざまな情報が脳に伝えられ、一食にしたら膨大な刺激が脳に伝わることになるのです。

その他、噛むことのメリット

眠い時に噛んだり食べたりすると、眠気が飛んだという経験があると思います。
噛んで食べることは噛むこと以外にも味や匂いも刺激となり、噛むという筋肉運動も加わるので、眠気を防止する方法として手軽で効率的ではないかと思います。

また、噛むことは健康寿命にも影響します。

1987年の老年歯学に掲載の高齢者の歯の状態と日常生活の状況を調査した結果では、自分の歯でしっかり噛むことができる高齢者の多くは、自立した生活を送っています。

一方で自歯も義歯もない人の約6~7割が近所までの外出または寝たきりの状態であることがわかっています。
そして、これらの人たちの食事は歯がないことから、軟らかい物や流動食であることが多いのです。
ペースト状の食べ物は噛まなくても飲み込めるので口の中での状態の変化はほとんどなく、咀嚼によって脳へ伝わる刺激は明らかに少なくなります。

せめて、形のある食べ物をかみつぶすことができるくらいの義歯を入れることが必要だと思います。

最後に・・・

皆さんは、日頃、噛むことを意識していますか?
ガムやグミに限らず、普段から歯ごたえのある食材を意識して利用することで、よく噛む習慣がつくといいですね。
それには健康な口の中、そして歯が必要です。
でも、入れ歯は・・・と敬遠していましたら、是非、歯科に相談にいらしてください。
歯科医師、歯科衛生士のアドバイスを受けてみませんか?
また、同じ歯科医院に通う患者さん同士の交流も生まれ、情報交換もできるかもしれません。

東村山市の歯科・歯医者は かわせ歯科