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脳卒中について vol.3

前回の間接訓練について、それぞれの訓練方法について、詳しく説明したいと思います。

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脱感作療法(異常感覚の除去)とは

口のまわりや口の中触覚刺激に対する過敏反応を除くために行います。
方法としては体の正中線の遠い所から、近い所(例えば、手、肩、顔面、口唇、口腔内の順)に、接続的に触れて刺激を加えます。

頸部可動域訓練とは

首の拘縮、過緊張の改善によって頸部の可動域を向上させます。
方法は、患者さんができる範囲で左右を向いてもらう。
首を左右に倒してもらう。そのあと少しだけ力を加えて可動域を広げます。

胸部可動域訓練とは

腕を上げることによって肋骨とつながっている筋肉が肋骨を持ち上げるようにします。
胸部が広がるため、一回換気量が増えます。

口唇訓練、頬訓練とは

口唇閉鎖に関与する口輪筋、咀しゃく時に口腔前庭に落ちた食物と咬合面に戻る頬筋を刺激して、咀しゃく機能を向上させます。

口唇閉鎖訓練とは

ボタンにひもをつけたものを、口唇でくわえて、力をいれて引っぱります。
口輪筋の強化により、口唇閉鎖を鍛えて、食べこぼしを減らします。

構音訓練とは

「パ」「タ」「カ」「ラ」を、口を大きく動かして発音してもらうものです。
「パ」の発音は口唇閉鎖の改善のために、「タ」「カ」「ラ」の発音は食塊の送り込み動作の改善のために行います。

咀しゃく訓練とは

咀しゃく動作の改善のために行います。
スルメやドライフルーツを、臼歯の上にのせて、頬粘膜と舌側縁で保持しながら、臼歯で噛んでもらうものです。

舌訓練とは

舌の可動域を向上させて、食塊の送り込みをしやすくします。
舌を前に出してもらい、ガーゼでつかみます。
そのまま前に引っぱる。
左右に引っぱります。

舌抵抗訓練とは

スプーンや舌圧子、デジタルミラーを使って、舌を軽く押さえた状態で、舌を押し返してもらいます。
舌の筋力を向上させ、食塊の送り込みなどを良くします。

ブローイング訓練とは

コップに入れた水にストローから大きく息をふくことにより、鼻咽腔閉鎖を促し、鼻咽腔閉鎖機能の強化を行います。

呼吸訓練とは

えん下と呼吸の協調性改善、誤えんした食物や唾液を噴出する力を向上させます。
呼吸訓練には下記の4つあります。

  1. 口すぼめ呼吸は、口を小さくすぼめながら、呼吸してもらいます。
  2. 腹式呼吸は、お腹をふくらませるようにして呼吸してもらいます。
  3. 腹筋運動は、横になって状態で、上体をおこす運動です。
  4. ハフィング訓練は、ゆっくり息を吸い込んだ後、速く、強く「ハッハッハッ」と息をはきだします。

えん下促通訓練とは

訓練法は3つあります。

  1. ガムラビング(歯間マッサージ)とは、歯間を前歯から臼歯にかけてマッサージすることにより、お口の感覚機能を高めて、唾液の分泌を促しえん下運動を誘発させます。
  2. アイスマッサージ冷圧刺激法とは、綿棒に氷水をつけて、軟口蓋や奥舌部、咽頭後壁を、2・3回こすって刺激したあと、すぐにえん下してもらいます。
    これは軟口蓋を凍らせたり、冷水に浸した綿棒で刺激することにより、えん下反射の誘発性を高めるものです。
  3. メンデルソン手技とは、舌骨、喉頭挙上を強化することにより、食堂入口部の開大する機能を強化します。
    意識的に喉頭挙上し、その位置で数秒間維持するようにします。
    食べものを使っての訓練として応用される場合もあります。

声門閉鎖訓練とは

両手をとりあって引っぱりあい、力を入れることにより声門閉鎖を促し、声門閉鎖機能を強化して、誤えんを防止します。

頭部挙上訓練とは

仰向けに寝た状態で、頭だけをつま先が見える位置まで上げます。
そのまま1分間維持してもらいます。
これは舌骨上筋郡を強化することにより、食道入口部の開大する機能を強化し、喉頭挙上の不足を改善します。



次回は脳卒中による盲次脳機能障害の局在性について触れたいと思います。


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訪内治療の現場ではもちろんのこと、治療室で可能な摂食機能検査を3つ触れたいと思います。


  1. オーラルディアドコモネシス
    口腔機能の巧緻性を評価します。
    『パ』『タ』『カ』『ラ』をそれぞれ発音してもらい、10秒間に言える回数を数えます。
    パは口唇閉鎖機能。
    『タ』『カ』『ラ』は食塊の送り込み動作と関連します。

  2. 反復唾液嚥下テスト
    自分の唾液を飲み込んでもらうようにして行います。
    30秒間に何回できるか、のどぼとけに指をあてて、回数を数えます。
    30秒に2回以下だと嚥下障害の疑いありとします。

  3. ブローイング
    ストローでコップの水の中に空気をふきこみ、ブクブクできる持続時間をはかります。
    口腔、咽喉頭を含めた上体の総合評価をします。

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2016年7月24日(日)
日本大学歯学部で、植田耕一郎先生のセミナを受けてきました。
内容は摂食嚥下リハビリテーションについてです。
講義の中で、話をされた脳卒中について、触れていたいと思います。

食嚥下のステージには、下記5つのステージがあります。

  1. 先行期
  2. 咀嚼期
  3. 口腔期
  4. 咽頭期
  5. 食道期

脳卒中にかかった患者さんのうち、咀嚼期、口腔期の障害をもった患者さんの割合は約3割との事でした。
主な訴えをあげると、下記のような訴えをされるそうです。

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